平成22年笛吹市議会第1回定例会

 

ご苦労さまでございます。

本日ここに平成22年笛吹市議会第1回定例会の開会にあたりまして、提出いたしました案件につきまして、その概要をご説明申し上げ、併せて私の所信の一端を申し述べ、議員各位ならびに市民の皆さまのご理解を賜りたいと存じます。

本市におきましては、合併から5年を経過する中で、平成203月に第1次笛吹市総合計画、ふえふき協奏曲第1番を策定し、昨年3月には笛吹市都市計画マスタープランを策定したところであります。また平成209月には笛吹市学校教育ビジョンを策定し、本市のまちづくりおよび人づくりにおける基本方針となるプランを明確にしながら、目指すべき将来像実現に向けて、市民の皆さまとともに一歩一歩、着実に歩みを進めてまいりました。

この間、地方分権改革推進法の施行により、平成205月の第1次勧告から、昨年11月の最終第4次まで4回にわたる勧告が行われ、分権型社会にふさわしい地方政府の実現に向けて、住民に最も身近な基礎自治体である市町村には、地域の必要性に応じて政策の優先順位を決定する選択と集中の経営能力が、強く求められるようになってまいりました。

特に今後、鳩山内閣が掲げる地域主権の推進について、地方自治体の自由度は大きく広がる反面、自治体間競争の激化により、生活する住民が受けるサービスと満足度の格差も顕著に表れてくることが予想されます。住民と行政がみずからが生活するまちの将来像を共有し、共に未来をつくり上げていく、協働のまちづくりの必要性をより強く感じている次第であります。

さて、平成22年度施政経営方針につきましては、今年度に引き続き笛吹らしさを追求し、定着させ、さらに発展させることで経営の安定化を図ることを目的に、みんなで奏でるにぎわい・やすらぎ・きらめきのハーモニー、オンリーワン都市をメインテーマに掲げさせていただきました。オンリーワン都市の実現に向けて、誰のための仕事かという原点を忘れずに、市民第一主義で生活者起点の行政推進により、市民との協働のまちづくりを進めてまいります。

また平成22年度は総合計画、前期基本計画の中間年に当たることから、実施計画の各事業と併せて、施策の全体計画の進捗状況についても検証と評価を行ってまいります。さらに、引き続き笛吹DNA戦略を設定し、すべての施策の役割をのばすことと併せ、他の施策とつなぐ、あるいは支えるという相乗効果により、部局間の計画や施策の総合力を高めてまいります。

また、本市は桃・ブドウ日本一と温泉の郷および甲斐国千年の都・笛吹市をキャッチフレーズに掲げ、笛吹ブランドとして国内外に向けて発信をいたします。このブランドを、さらに全国に浸透させ確固たるものとするため、トップセールスをはじめ、あらゆる機会を通じてPRを行い、笛吹ブランドのバリューアップを図ってまいります。

次に地域主権の確立に向けての取り組みですが、地方自治体がみずからの責任において、まちづくりを行う自治体経営の必要性を再認識し、住民主体による自己決定と自己責任の大原則のもと、自主・自立の笛吹市を目指します。

また、経営の基本であるマネジメントサイクルを常に意識して行動し、1年、半年、四半期、毎月、場合によっては1週間ごとに行動計画や予算の執行・検証を行い、次につなげるというシステムを確立してまいります。さらに、健全な行財政基盤の確立に向けて、第2次行財政改革大綱に基づき、引き続き行政の質の向上と財政の健全化を維持するため、行政経営システムと併せ、月次目標管理と選択と集中による計画的な事業執行により、行政の内部効率性を一層高めるとともに、未来への投資の可能性も探ってまいります。

目まぐるしく変わる社会情勢に的確に対応し、住民と行政が一体となって地域をつくり上げていく協働の時代、自治体には時流適応が求められています。それと併せ、私はこれからの行政経営の中で、市民が行政に求める大きなポイントの1つは市役所の品格であったり、職員の人格であると感じております。

日本人が先人から受け継いだ謙虚とか善意といった、いわゆる道徳から導かれる心の豊かさ、品格ということを強く意識しながら、職員一人ひとりの意識改革を進め、市民のために何をすべきかといった使命と責任感を常に追及することで、より市民から信頼される品格のある市役所を構築し、未来に夢を描けるオンリーワン都市の実現を図ってまいります。

続きまして、第1次笛吹市総合計画の施策体系に沿った、主要事業をご説明申し上げます。

最初に実り多い産業と人々の集う、まちづくりについてであります。

はじめに、農業振興につきましては、農業従事者の高齢化や後継者対策として、笛吹市農業振興行動計画に基づき、新規就農者の育成や農業技術の向上を目的に、今年度、援農支援センターを設立し、援農システムの構築を図ってまいりました。

平成22年度からは、農業で自立を目指す農業後継者を支援するため、新たに笛吹市新規就農農業後継者支援事業をスタートさせ、農業後継者の育成・定着を図ってまいります。鳥獣被害の対策につきましては、笛吹市鳥獣被害防止対策協議会を核に、地域の皆さまと連携を図りながら、積極的に対策を講じてまいりたいと考えております。

消費宣伝・販路の拡大につきましては、市長トップセールスとして、国内はもとより、これまで以上に、香港・台湾など海外へも積極的に販路の拡大を図ってまいります。また、全国的に食の安全に対する関心の高まりに伴い、地産地消が重要な課題となっております。

笛吹市地産地消推進計画により生産者、消費者、事業者、学校および市が一体となった地産地消を推進してまいります。特に22年度は、市内4カ所目の直売所となる芦川農産物直売所がオープンいたしますので、これらの施設を核に、なお一層、地域の活性化と地産地消が図られるものと期待するところであります。

さらに、農業と地域が共存する地域循環型のまちづくりに向けたバイオマスセンター建設事業につきましては、笛吹市バイオマスタウン事業化計画に基づき、利用バイオマスや施設規模などを検討し、施設整備予定地の選定を進めてまいります。

続いて、土地改良事業についてであります。

農業の生産、流通、農地農村環境の向上等につながる農道、水路等の改修などの農業基盤整備については、県営事業として畑地帯総合整備事業を含め、市内9カ所で実施をいたします。また引き続き、地域ぐるみで農地や水を守る効果の高い共同活動や資源保全に向けた営農活動への支援として、農地・水・環境保全向上対策事業を実施してまいります。

なお、各地域からの要望につきましては、その必要性・緊急性などを勘案し、積極的かつ計画的に進めてまいります。

次に、商工業の振興についてであります。

世界的な経済危機の影響により、依然として厳しい雇用情勢が続いておりますが、緊急経済対策として中小企業者に対し、借入金に対する利子補給を行うとともに、企業と就職希望者を対象に市内就職ガイダンスを開催し、地域経済の活性化と雇用の安定に努めてまいります。また、一店逸品創出事業に31店の応募をいただいておりますので、商工会と連携し、積極的にPRを行い、競争力のある商店・商業のなお一層の活性化を図ってまいります。

次に、観光事業についてであります。

多くの皆さまのご意見を伺いながら、策定を進めてまいりました笛吹市観光振興ビジョンにつきましては、温泉・果物・歴史の再確認とシナリオづくりを基本的視点に、7つの方針から構成されたビジョンが、この3月には策定される予定であります。また、甲斐国千年の都・笛吹市を象徴する豊かな歴史、優れた文化財、地理的特性を生かし、県内観光地と広域連携した観光振興を図ってまいります。インバウンド観光の推進につきましては、海外からの観光客を広く受け入れる取り組みが、国を挙げて進められております。

本市におきましても、東アジアを中心に特産品のPR活動と連携しながら、誘客活動を積極的に推進してまいりたいと考えております。

温泉・果物・歴史をかけ合わせた地域イメージを市民全員で共有するとともに、市内外に積極的に発信することで笛吹ブランドのバリューアップを図り、暮らしたくなる旅の地・笛吹市を目指してまいります。

次に、ブランド力がある産地形成についてであります。

本市特有の資源であります農住の調和がとれた美しい定住環境は、恵まれた気候や風土、交通条件と相まって、果実生産の適地であると同時に、観光や産業の立地にも有利な環境であります。この自然環境を生かし、おもてなしの心を持って都市住民との交流を進め、地域住民との共生を図りながら、地域経済の活性化を図るための施策を展開し、果樹日本一と温泉の郷づくりを目指し、ブランド力がある産地形成を実現してまいります。

次に、道整備交付金事業についてであります。

安全・安心の地域づくりの観点から通行上危険な個所を解消し、利用者が安全に安心して通行ができるように、市道石和8号線、市道石和13号線、市道御坂950号線の幹線道路網の整備を進めてまいります。

なお、砂原橋の架け替えにつきましては、道路整備も含めて詳細設計を実施する予定であり、また現在、行っております道路予備設計が済み次第、石和および八代地区の地域住民説明会を開催する予定であります。

次に市営バス運行事業でありますが、昨年6月、バス事業者や住民の代表者などで構成する笛吹市地域公共交通会議を法律に基づいた法定協議会に移行し、市民アンケートや現況交通実態調査等を実施する中で、住民ニーズの把握に努めてまいりました。

現在、その結果をもとに、地域公共交通の活性化および再生を総合的かつ一体的に推進することを目的とした、笛吹市地域公共交通総合連携計画の策定を進めております。計画策定後はこの計画をもとに、既存路線の再編や新たな方式による公共交通の運行も視野に入れながら、各地域の実態に即した運行方法を研究し、市内全域での効率のよい公共交通の再編・整備に取り組んでまいりたいと思います。

次に、リニア対策事業についてであります。

山梨リニア実験線建設事業につきましては、すでに市内全線で工事が行われておりますが、工事が進む過程で、既存水源の枯渇問題、日影対策等の課題も発生しております。市といたしましては、引き続き地元住民の立場に立った事業展開が図られますよう、事業主体および山梨県等と協議を行い、実験線工事の円滑な完成に努めてまいりたいと考えております。

また、JR東海が平成37年に開業予定のリニア中央新幹線について、神奈川県相模原市付近から本市付近にかけての約60キロ区間を、5年ほど前倒しして開業させる方針を固めたことにより、中間駅設置の具体的議論が活発化されることが予想されますので、峡東圏域リニア中央新幹線駅誘致推進協議会と連携を図りながら、活発なリニア停車駅の誘致活動を進めてまいります。

次に、石和温泉駅周辺整備事業についてであります。

平成22年度新規事業として、国のまちづくり交付金事業の採択を受け、石和第五保育所の移転補償、北口駅前広場および国道140号からのアクセス道路の詳細設計、さらにはJR東日本へ駅舎改築等のための基本設計を委託する予定であります。

次に、石和駅前土地区画整理事業についてであります。

平成4年度から進めている土地区画整理事業は最終段階に入り、22年度には都市計画道路八田線および区画道路2号線整備工事などの完成により、地区内の公共施設整備がすべて終了する見込みであります。同時に街区画地確認測量など、換地処分に向けての準備作業に入り、24年度末までの清算・登記の完了を目指して、事業を進めてまいります。

続きまして、環境にやさしく、安心してすこやかに暮らせるまちづくりについてであります。

はじめに安心・安全のための備えづくりについてですが、消防業務につきましては、あらゆる災害や救急搬送業務などに対し、常に万全の備えを堅持しているところでありますが、何よりも有効な対策は、市民みずからの危機管理意識の高揚であり、自助・共助の活動であると考えております。

これら市民の活動を支援すべく、救命救護の普及・促進を継続的に行うとともに、住宅用火災警報器の設置推進をはじめとする予防活動を強力に実施してまいります。救急業務につきましては、本年度、市内全域に高規格救急車ならびに救急救命士の配置が完了したところであり、今後、さらなる救急技術の向上を図るとともに、地域医療機関との連絡調整を密にして、救急患者の受け入れが滞ることのないよう努めてまいります。

なお、常備消防の広域化につきましては、平成2110月に山梨県消防広域化推進協議会が設立され、22年度は多角的かつ具体的な研究・検討がされるものと思われます。これらの協議に参画しながら、市民の安心・安全を最優先に、本市にとって最良の消防体制を選択していきたいと考えております。

次に、境川町大坪地内冠水対策事業についてであります。

国の地域活力基盤整備創造交付金事業の採択を受け、調整池および大坪尻川河川改修などの用地測量等を実施し、地域説明会において事業への理解を求める中で、一部用地買収に着手する予定であります。

次に、防災無線デジタル統合事業についてであります。

平成21年度から3年間をかけて整備を進めておりますが、本年度は工事契約の締結および南館への親局整備と、春日山に設置する中継局建設用林道の設計を行いました。平成22年度は春日山に中継局を設置するとともに、一宮地域、境川地域、芦川地域の野外拡声子局の整備を進めてまいります。

次に、住宅マスタープラン策定事業についてであります。

住宅施策を取り巻く社会経済情勢の変化、国・県の住宅政策との整合、市内における住宅供給の動向、市民ニーズ、行財政状況などを勘案し、便利で暮らしやすい生活環境づくりを目指して、住宅政策および施策展開などの計画策定に取り組むものであります。

また、公営住宅等長寿命化計画策定事業につきましては、公営住宅の需要に的確に対応するため、住宅マスタープランをふまえ、老朽化した公営住宅ストックの効率的かつ円滑な更新に必要な長寿命化と、ライフサイクルコストの縮減を目指した計画を策定してまいります。

次に、ごみ減量推進事業についてであります。

平成22年度は、「やってみるじゃん53%減量」をスローガンとした生活系可燃ごみ53%減量の最終目標年度であります。現状においては、基準年に対し約30%の減量がなされておりますが、目標達成に向けて、可燃ごみへの混入割合の高いミックスペーパー、その他プラの排出場所をおおむね100世帯に1カ所に増設し、分別排出しやすい環境整備をいたします。また、バイオマスタウン構想との連携を図る中で、生ごみ処理機等の購入補助制度と併せ、生ごみリサイクル計画の推進を図り、さらなる減量に努めてまいります。さらに公民館等での分別説明会や、市内スーパー等の店頭での分別推進キャンペーンなどを実施するとともに、広報・ホームページ等を活用しながら、住民の減量意識改革への啓発に努めてまいります。

次に、ふるさと公園整備事業についてであります。

拡張予定である13ヘクタールの用地測量等を実施し、地域の皆さまに土地の利活用を含めた事業に対するご理解をいただく中で、一部用地買収に着手してまいりたいと考えております。

次に、特定健診・特定保健指導事業についてであります。

国が目標と定める平成24年度特定健診受診率65%、特定保健指導率45%の達成に向けて、市民へのPRと併せ、来年度から新たに市内医療機関などでの個別検診を導入することにより、受診率の向上と保健指導による生活習慣病の減少に努めてまいります。

次に、健康づくりについてであります。

平成18年度に策定いたしました健康増進計画により、各世代の健康増進に取り組んでおりますが、平成22年度はこの計画の中間年にあたることから、市民の皆さまのご意見を伺う中で、計画の見直しを行ってまいります。

母子保健では、出産・育児に関する正しい知識の普及を図り、夫婦そろって協力して子育てを行っていただくことを目的にパパママスクール事業を実施し、安心して産み育てられる環境づくりを推進してまいります。

成人保健では健康診査や健康教育など、生活習慣病等の早期発見、早期予防に取り組むとともに、温泉活用健康づくり事業もさらに内容を充実させ、またシルバー体操指導員養成事業では指導員の養成と地域活動の支援を引き続き、実施してまいります。

次に、子育て支援についてであります。

核家族化の進行や共働き世帯の増加に伴い、少子化対策・子育て支援の充実が求められており、平成21年度に策定いたしました次世代育成支援後期行動計画に基づき、子育て支援事業や保育サービスの充実に努めてまいります。

昨年の政権交代により、マニフェストの目玉とされました子ども手当につきましては、制度の周知をはじめ対象者の把握、手当の支給が円滑に行えるよう準備を進めてまいります。また、ひとり親家庭への支援につきましては、特に父子家庭に対する支援策として、昨年4月から市単独事業で父子家庭児童育成手当の支給を行っておりますが、本年8月より国の制度として父子家庭に児童扶養手当が支給されることになりますので、子ども手当と同様に円滑な支給が行えるよう準備を進めてまいります。

次に子育て支援センターにつきましては、つどいの広場を含めて4カ所で開設しております。さらに、地域ぐるみで子育て家庭の育児不安を軽減するため、子育ての相談・支援の充実を図るとともに、地域の中で新たな利用者の拡大に努めてまいります。

学童保育事業につきましては、本年4月から国のガイドラインに沿った運営を行うため、保育室の増設などの整備を進めてきたところであり、学童保育の質の向上と適正規模での運営に努めてまいります。

保育所関係では、特別保育事業であります延長保育サービスを保護者のニーズを把握しながら、公立・私立合わせて19カ所の保育所で実施できる体制を整えるとともに、一時預かり保育サービスについては、実施保育所の市内への適切な配置を図り、さらなる保育サービスの充実に努めてまいります。

なお、保育所への指定管理者制度導入につきましては、本年4月から新たにかすがい東保育所への導入が決まり、石和第三保育所と合わせ、2カ所となります。

今後も指定管理者導入については、保護者のニーズを的確に把握し十分な話し合いを行い、ご理解をいただきながら進めてまいります。また、保育所の施設整備を行う市内民間保育事業者に対し、国の子育て支援対策臨時特例交付金により県が設置した安心子ども基金を活用して、その費用の一部を助成するなど、子どもを安心して育てることができる環境整備を図ってまいります。

次に、高齢者福祉についてであります。

本格的な長寿社会の到来により高齢化はますます進み、ここ数年のうちに高齢化率は25%を超え、市民の4人に1人が65歳以上の高齢者となる状況であります。高度化・多様化する福祉・介護へのニーズに対応するため、高齢者福祉計画に掲げる高齢者が元気に活躍するまち、高齢者が安心して生活できるまち、高齢者が互いに支え合うまちの実現に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。

本市の高齢者の約8割は、介護を必要としない比較的元気な高齢者であることから、地域活動・社会活動への取り組みをさらに進めていくために、学習講座・研修の機会を設け、高齢者ボランティアの育成に努めてまいります。

また市内医療機関と連携して、要介護状態に陥りやすい虚弱な高齢者、いわゆる特定高齢者の把握にも取り組み、介護予防の運動機能向上や栄養改善、口腔機能向上など、通所事業を充実してまいります。さらに、認知症に対する正しい理解と予防のための普及啓発や認知症の方や家族を応援する認知症サポーターの養成などに取り組んでまいります。

次に、障がい福祉についてであります。

障がい者の自立を支援する環境づくりの実現に向けて、第2期障害福祉計画に基づき、障がい児や障がい者が社会の一員として社会活動に参加し、地域で自立した生活が送れるよう適切な支援を行ってまいります。

地域活動支援センター事業では、障がい児とその保護者の地域における社会活動を支援するため、障がい児の支援を専門とした地域活動支援センターを新規に増設して、専門的な相談支援や社会参加支援を行ってまいります。

また、地域自立支援協議会では、地域連絡部会や教育支援部会など7部会により、困難事例への対応と地域の課題について協議や研修、学習会を開催し、対応してまいります。さらに施設入所や入院から地域生活への移行と一般就労への移行を推進し、在宅福祉サービスの充実や居住の場の確保と雇用、就労支援の充実に努め、地域における障がい者の自立と社会参加の促進に取り組んでまいります。

次に、国民健康保険事業についてであります。

医療費の増嵩による医療給付費の増加や収納率の低迷による財源への圧迫など、事業運営は極めて厳しい状況であります。状況の改善に向けて、医療費の抑制や収納率の向上など、健全化対策に取り組んでいるところでありますが、今後さらに収納対策の強化をはじめ、特定健診と特定保健指導を中心とする疾病予防対策を実施してまいります。また、広報や国保だよりを活用し、被保険者へ国保の厳しい実情をつぶさにお知らせし、医療費削減への協力と健康保持についてのご理解を積極的に呼びかけてまいります。

長寿医療制度につきましては、後期高齢者医療制度を廃止し、平成254月の新制度による高齢者の医療保険施行に向けて、すでに国において検討が進められているところでありますが、住民生活への影響を最小限に抑えるよう、制度の円滑な移行について、国・県に要望してまいりたいと考えております。

また、平成22年度に保険料の見直しが予定されており、県広域連合において、現在見直し作業を進められておりますが、基金の取り崩し等により、現状どおりの保険料額で推移できるものと伺っております。

次に、介護保険事業についてであります。

高齢者が可能な限り健康で自立した生活を送ることができるように、介護予防の推進や地域の実情に応じた介護サービスの充実に努めるとともに、安定的な制度運営を維持するための介護給付費の適正化に取り組んでまいります。介護保険施設の整備につきましては、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、平成22年度は、地域密着型の認知症対応型共同生活介護施設グループホームについて、国の支援を活用しながら事業者が整備できるよう、指導してまいります。

次に、生活保護についてであります。

申請時の相談から保護の決定まで確実な対応を図り、保護の適正な実施に努めるとともに、就労支援員による保護受給者への就労指導・支援を行い、保護受給者の自立生活の確保に向けた取り組みを進めてまいります。

続きまして、個性輝く人々が育ち、活躍するまちづくりについてであります。

はじめに、教育施設環境の充実につきましては、平成22年度は、子どもたちが安全・安心に、また、よりよい環境で学べるよう、積極的に学校施設の整備を行ってまいります。特に地球温暖化対策や自然エネルギー利用による太陽光発電整備事業は、環境・エネルギー教育を進める上で大きな効果が期待されており、これからも環境に配慮したやさしい学校施設を目指した教育環境の充実を図ってまいります。また、子どもたちや地域の皆さまが安全・安心に施設の利用ができるように教育委員会所管の社会教育施設、体育施設の修繕および整備も進めてまいります。

次に、学校教育ビジョンの具現化についてであります。

平成22年度も笛吹教育のさらなる充実を目指し、引き続き学校教育ビジョンの具現化に取り組んでまいります。具体的な事業といたしましては、児童生徒のたしかな学力の定着を図るために学力向上研究委員会を継続設置し、笛吹市の子どもたちの学力実態の分析・研究を行ってまいります。また、教員の授業力の向上を目指して指定校に実践家を派遣するとともに、教職員の幅広い指導力育成のために、教育講演会も開催する計画であります。さらに、子どもたち一人ひとりにきめ細かな対応ができるように、引き続き学習支援講師の配置を行い、教育環境の充実に努めてまいります。

次に、生涯学習の充実についてであります。

市民講座 スコレー大学事業につきましては、市民ニーズに加え、特定分野に偏らないバランスが取れた講座内容に配慮し、22年度も年間170講座、3千名の参加者を見込んで、事業の提供を行ってまいります。特に行政区が企画する地域講座 スコニティ講座につきましてはさらなる充実を図り、地区公民館活動の活性化につながるよう努めてまいります。加えて芸術性の高い事業の提供に関しましては、事業経験の豊かなふえふき文化・スポーツ振興財団と綿密な連携を図るとともに、山梨学院大学等の外部機関との連携講座を積極的に開催し、先進的で特色のある文化事業の展開を図ってまいります。

次に、図書館の充実についてであります。

市内6カ所の図書館は相互連携を図る中で、いつでも、どこでも、誰でも学べる環境づくりを目指しております。平成22年度は通常の貸し出し業務のほか、子育て支援として、お話し会を年間400回以上、大人を対象とした教室、講座24回以上の開催を計画いたしております。また、本年は国民読書年でありますが、本市では、読書推進施策として笛吹市子ども読書活動推進計画を策定し、子どもたちの読書に対する意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。さらに新刊の購入と併せ、地域資料などの充実を図りながら、市民1人当たり8冊以上の利用を目標に管理運営を行うなど、さらなるサービスの向上に努めてまいります。

次に、社会体育の充実についてであります。

高齢化の急速な進展や国民の健康志向の高まりなどにより、生涯にわたりスポーツに親しむことができる、豊かなスポーツライフを送ることが望まれています。平成22年度も引き続き各地域に出向き、公民館等を活用する中で、軽スポーツ、健康づくり教室など、手軽に誰にもできる運動教室を開催し、体力の向上はもとより、地域での人間関係および世代を超えた交流の機会を提供しながら、スポーツを楽しめる環境づくりを進めてまいります。

次に、史跡甲斐国分寺跡整備事業についてであります。

平成22年度は、金堂の北側に位置する講堂跡の調査を行う計画であり、調査が終了すると七重の塔、金堂、講堂という奈良時代の古代寺院の中心的な建物が解明されることになります。発掘調査で解明される事実は、甲斐国千年の都・笛吹市を裏づける重要な資料として、今後、整備計画の策定に活用してまいります。また、発掘調査の成果は、笛吹市の古代の歴史を一層豊かにしてくれるものと期待されておりますので、展示や広報などを通じて広く市内外に公表してまいりたいと考えております。

次に、多目的施設建設検討事業についてであります。

多目的施設整備につきましては、市議会や各地域審議会、また市民ミーティングにおいて構想をお示しし、さまざまなご意見をいただいているところであります。今後の事業取り組みについては、行政主導ではなく、市民中心による検討組織を設置し、建設の可否も含め、十分な検討を行う必要があるとの見地から、去る1月、連合区長会をはじめ関係諸団体の代表者、学識経験者など44名の委員の皆さまを委嘱する中で、笛吹市多目的施設建設検討委員会を設置し、検討に入ったところであります。

今後、検討委員会で出された課題等に基づいて作業を進めてまいりますが、慎重なるご協議をいただき、市といたしましては、できましたら6月から9月ごろを目途に委員会での検討結果をふまえ、建設についての方向を探っていきたいと考えております。

続きまして、将来像実現に向けた取り組みについてであります。

まず、市民と行政との協働の取り組みにつきましては、市民の社会貢献活動支援を継続する中で、地域振興基金運用益を活用した地域振興促進助成事業、市民ボランティア・NPO助成事業の活用と併せ、地域づくりポータルサイト、よっちゃばるネット笛吹による情報発信や情報の共有化により、市民活動の活性化を図るとともに、市民ワークショップ開催や市民活動支援講座などの取り組みを進めてまいります。また、市民と行政の役割、市民活動支援施策の検討などを行う市民協働検討会議を設置し、新しい公共を目指した市民と行政との協働の実現に取り組んでまいります。

次に、情報セキュリティ対策についてであります。

市民の個人情報をはじめとする情報資産の機密性・完全性・可用性を維持するため、笛吹市情報セキュリティポリシー基本方針などに基づく、物理的・人的・技術的セキュリティ対策を実施し、さらなる情報セキュリティの向上を図ります。また、情報通信技術を駆使した機能的な電子市役所の実現を目指して、サービス内容を工夫していくとともに、個人情報の保護を徹底し、信頼できる情報システムを構築することで、より利用者の利便性を図ってまいります。

次に、市税の各種申告等の電子化についてであります。

本市ではインターネットを利用して、地方税における手続きを電子的に行うシステム、eLTAXを導入し、平成213月より公的年金からの特別徴収事務のほか、法人市民税の申告・届け出などの各種申告についても運用を行っております。

また、平成231月からは、国税のe−Taxと地方税のeLTAXの連携も予定されておりますので、納税者の申告等、業務における利便性の向上とコスト削減および事務の合理化に向けて、電子申告等の推進を図ってまいりたいと考えております。

次に、市税等の収納率向上対策についてであります。

本市の地方税の収納率は、依然として県下で最も低い状況にありますが、税負担の公平性の観点から悪質な滞納者に対しまして毅然とした対応を行い、積極的に差し押さえ等を実施しております。差し押さえの対象としましては、不動産、預貯金等でありますが、動産、とりわけ自動車や家具等につきましても積極的に差し押さえを行い、公売などにより換価しているところであります。また、今年度から導入いたしました市税のコンビニ収納も利用率が3割となり、初年度としては予想を上回る状況でありました。

今後も納税環境の改善も含め、可能な限り多彩な手段を利用して、収納率向上と自主財源確保に努めてまいります。

次に、住基カードの普及促進への取り組みについてであります。

1月末現在の総交付枚数は1579枚で、交付率は148%であります。証明書自動交付機の利用につきましては、住基カードの交付枚数に比例して利用者数も増加し、住民票、印鑑証明書の総交付枚数の約3割に達しているところであります。引き続き、住基カードの利便性の啓発と取得しやすい環境づくりを中心に普及活動を展開し、交付率20%を目標に普及促進に努めてまいります。

また、新たなサービスといたしまして、身分証明書としてご利用いただける写真付きの住基カードの取得促進に向けて、添付用写真の無料撮影を行っております。さらに、住民票や印鑑証明書を取得しやすい環境をつくるため、コンビニエンスストアでの交付につきましても検討を進めてまいりたいと考えております。

次に、上下水道使用料金の収納向上対策についてであります。

公共サービスの対価に対する負担の公平性および財源の確保を図るため、臨戸訪問などにより徴収体制を強化しながら、収納率の向上を図っております。また、未納者に対しましては給水停止を実施するとともに、新たな未収金を発生させないように努めるほか、過年度未収金については、実態調査を進めるとともに、できる限り時効が成立しないように対策を講じてまいります。

なお、納入できない事情があるケースに対しましては納入相談を行い、分割納付等の指導も行ってまいります。

次に、選挙事務についてであります。

選挙の正確な執行と併せ、市民サービスの向上や経費削減等の観点から、選挙事務の効率化に、さらに進めてまいります。その結果、昨年の衆議院議員総選挙では、開票事務効率で県内第1位となり、また市民の皆さまのご理解のもと、投票区を40カ所から29カ所に削減したことにより、投票所経費の大幅な削減を図ることができました。

平成22年度は、参議院議員通常選挙および山梨県知事選挙が実施されますが、開票事務の迅速化のみならず、事務従事者数の適正化、投票区の再編、委託方法の検討など、あらゆる角度から改革に取り組んでまいりたいと考えております。

次に、市役所の事務組織体制についてであります。

多様化する市民ニーズに的確に対応するため、より効率的な組織体制の構築を目指して、平成22年度は、建設部および教育委員会事務局のいくつかの課を統廃合するとともに、支所の一部で地域住民課への再編を行います。また、職員数につきましては、平成21年度中の退職予定者は、定年退職24名を含め30名であり、これに対し13名の新規採用を予定いたしております。職員の適正化計画の実施により、正規職員を17名削減する中で、より効率的・効果的な行政経営を進めてまいります。

 

平成22225

 

笛吹市長 荻野 正直