平成22年笛吹市議会第2回定例会

 

本日ここに、平成226月定例議会の開催にあたり、提出いたしました案件につきまして、その概要をご説明申し上げるとともに、私の行政経営の現状を申し述べ、議員各位ならびに市民の皆さまのご理解を賜りたいと存じます。

一昨日、62日の午前、鳩山首相は緊急の民主党両院議員総会で、突然、退陣を表明し、まもなく新たな首相が決定されると思われます。

昨年の衆議院議員総選挙で、単独過半数を得て発足した鳩山政権も、8カ月半で総辞職することとなり、多くの課題が山積する国政に不安を感じざるを得ません。

中でも、依存と分配から自立と創造への政治転換である、地域主権の取り組みにつきましては、地域主権戦略会議において、具体的な議論が本格化するところでありましたので、今後も議論が停滞することがないよう強く望むとともに、私自身もみずからの重責を再認識し、全身全霊を傾注し、施政経営に臨む決意を新たにしたところでございます。

また420日、宮崎県内で発生した口蹄疫は、関係機関による懸命の防疫措置にもかかわらず、感染は拡大の一途を辿り、これを受けた宮崎県は、518日に非常事態宣言を発令するまでに至りました。その後も感染は広がりを見せ、牛・豚を合わせた被害頭数は約20万頭に達する見込みであり、畜産農家に甚大な被害をもたらしております。

今回は国、県の初動体制の遅れが指摘されておりますが、被害を最小限に抑えるには、日ごろからあらゆるケースを想定し、状況に応じ的確な対応がとれるよう、準備することが肝要であり、改めて危機管理に対する備えの重要性を感じたところであります。

さて、本市の大型施設整備構想の1つであります多目的施設につきましては、笛吹市多目的施設建設検討委員会において、計5回に及ぶご協議を重ねていただき、去る527日、賛否両論のご意見のご報告をいただいたところであります。

今後、これらをもとといたしまして、市議会からのご意見も賜りながら検討を重ねてまいります。

以下、第一次笛吹市総合計画の施策体系に沿って、主な事業のご説明をさせていただきます。

はじめに、過疎対策についてであります。

本年41日付けで、過疎地域自立促進特別措置法の一部が改正され、新過疎法が施行されたところであります。今回の改正につきましては、過疎法の6年間の期限延長とともに、過疎対策事業債の対象が、いわゆるソフト事業にも拡充されたところであります。

集落の維持および活性化、そのほか住民が将来にわたり、安全に安心して暮らすことができることを目的に、今後、山梨県過疎地域自立促進方針に基づき、笛吹市過疎地域自立促進計画の見直しを行い、市議会にお諮りをしたいと思います。

次に、芦川農産物直売所についてであります。

直売所は327日・28日にプレオープンし、43日にグランドオープンすることができました。若彦トンネルの開通により交通量も増え、盛況のうちに2カ月が経過し、山菜のシーズンを迎えたゴールデンウィーク期間中は、売り上げも5日間で4月対比50%を超え、品物の確保に追われるほどの賑わいをみせておりました。

また現在は、すずらんが見ごろを迎え、連日多くの方が訪れている状況であり、今後もさらに充実を図る中で、地域の活性化に取り組んでまいります。

次に、桃の花まつりについてであります。

市内各地におきまして、開催いたしました笛吹市桃の花まつりも盛況のうちに幕を閉じることができ、桃・ぶどう日本一と温泉の郷を十二分にアピールできたものと確信をいたしております。

今後は、桃の花まつりにつきましても、来年度に向けて、早期に検証を行うとともに、本年5月に、新たに芦川町観光協会員も加わり、市全地域の会員で組織されることとなりました一般社団法人 笛吹市観光物産連盟を中心といたしまして、各観光協会等のさらなる連携を図り、観光体系の確立を目指してまいります。

次に、観光振興アクションプランの策定業務についてであります。

暮らしたくなる旅の地、笛吹桃源郷を目指し7つの基本的方針を定め、本年3月に完成しました笛吹市観光ビジョンを基本とし、その具体的活動を示す笛吹市観光振興アクションプランの策定に着手したところであります。

広く市民の皆さまのご意見をお聞きする中で、市内に多く存在する地域資源の掘り起こしを行い、笛吹市に来訪いただくお客さまに、さまざまな魅力を感じていただき、再度訪れていただくための具体策を、常に検証できるプランとしてまいります。

次に、緑化対策事業についてであります。

430日に青空が広がる好天のもと、御坂町大野寺の福光園寺寺有林を会場に第4回笛吹市植樹祭を開催し、市内全域から緑化団体や緑の少年少女隊など約250人の参加をいただき、参加者全員により、ヤマモミジの苗木2千本を植樹いたしました。

緑や森林に対する関心が高まる中、緑をつくり・緑を育て・緑を守る意識の啓発に寄与できたものと考えております。

次に、ごみ減量推進事業についてであります。

「やってみるじゃん ごみ減量」をスローガンとして、取り組んでおります生活系可燃ごみ53%減量事業も21年度末の実績値においては、基準年対比で約29%の減量となっております。

最終目標年度となる今年度は、さらなる減量の取り組みとしてミックスペーパー、その他プラスチックの分別排出の推進強化のため、4月から5月までに、市内の排出場所を68カ所増設いたしました。

また、ごみの分別推進や生ごみの出し方など地区説明会を継続開催し、ごみ減量アクションプランを基本に、関係者との協働による事業を展開しているところであります。

次に、笛吹市環境基本計画についてであります。

平成21年度から事業を進めております計画策定につきましては、今年度、環境の現状と課題、市民意識の動向等を踏まえ、望ましい将来像と目標および行動計画の検討などを行います。また環境審議会を設立し、市民の皆さまや事業者と連携して、年度内の計画策定を目指す中、積極的に取り組んでいるところであります。

次に、予防接種についてであります。

まず、日本脳炎の予防接種につきましては、これまで、積極的な勧奨を差し控えることとされておりましたが、平成22年度から3歳児に対する初回接種に対して、積極的に行うよう厚生労働省からの通知がありました。これを受けまして、本市では、3歳児の初回接種から積極的な勧奨を再開することとしました。

また、子宮頸がん予防ワクチンの公費助成についてでありますが、山梨県では接種費用の一部を助成する方針を固め、6月の定例県議会に補正予算案を上程いたしました。これを受けまして、本市におきましても、子宮頸がん予防ワクチンの接種費用を助成することといたしました。

助成対象は小学校6年生と中学校3年生とし、県の助成と併せ、45千円を上限として補助することで、おおむね対象者の負担はなく、接種できるものと考えております。これにより、予防対策につなげていきたいと考え、本定例会に補正予算案を提出させていただいたところであります。

次に、子ども手当についてであります。

次代を担う子どもの健やかな成長を社会全体で支援するため、平成22年度につきましては、中学校終了前までの子ども1人につき、月額13千円の子ども手当を支給いたします。

本市の受給対象世帯数はおおむね6300世帯で、対象となる子どもの人数は1600人余りと見込んでおります。本年度は4月・5月分を6月に、6月から9月分を10月に、10月から翌年1月分を2月にと、3回に分けて支給するものであります。

次に、保育所についてであります。

石和温泉駅周辺整備事業に伴いまして、移転建て替えを計画しております石和第五保育所につきましては、駅に近接する立地条件を生かし、一時預かり保育や延長保育、体調不良児の保育等にも対応でき得る機能を有するとともに、子育て支援センターを備える施設として、平成23年度中の完成を目指し、本年度、基本設計ならびに実施設計に着手してまいります。

また、公立保育所の耐震化や老朽化対策のための施設整備を順次進めるとともに、私立保育園の老朽化等による建て替えにつきましても、支援対策を図るなど、安心・安全な保育環境の整備を推進してまいります。

次に、高齢者福祉についてであります。

4期介護保険事業計画の中で、平成22年度に八代・境川・芦川地域へ整備を計画しております、地域密着型サービスのグループホームにつきましては、昨年10月に公募を行い、市内外の2事業者から応募がありました。

審査の結果、市内でデイサービス等の介護保険事業を行っている事業者に決定したところであります。事業者には本年度中の指定に向け、施設整備を進めていただくこととなっております。

次に、国民健康保険についてであります。

21年度の医療費の実績は、前年に比べ21300万円の増加であり、1人当たりの医療費で見ますと、53%も増えております。この原因として考えられるのが、医療の高度化と合わせ、生活習慣病などに起因する医療受診者の増加が挙げられます。また、国保税につきましては、低迷する経済状況の影響などから、依然として収納率の低下が続いており、国保財政を圧迫している状況であります。

こうした現況を改善するため、本年度より特定健診の受診率アップのための、個別健診の導入とともに、国民健康保険事業健全化計画を策定する中で、医療費の削減対策の実施と国保状況の啓発および収納強化による税収の確保策の、収支両面における国保財政の安定化に向けた取り組みを実施してまいります。また本年度も、国保税につきましては、71日の本算定に向け事務を進めており、その経過については順次ご報告をいたします。

なお、後期高齢者医療制度につきましては、平成25年度には新たな制度により高齢者の皆さまの医療保険が運営される見通しであり、現在、国の高齢者医療改革会議において、その内容が検討されておりますので、今後の動きを注視しながらも、現在の事業の円滑な運営を図ってまいります。

次に、教育施設の整備についてであります。

平成21年度からの繰越事業であります公共投資臨時交付金および、きめ細かな臨時交付金を活用した施設整備についてでありますが、地域経済活性化の趣旨に鑑み、早期着工・早期完成を目指して、取り組みを進めているところであります。さらに、小中学校太陽光発電システム整備事業につきましては、18校に整備するものでありますが、工事区域を12区域に分割する中で、早期完成を目指し発注する見込みであります。

また、快適な学校教育空間整備事業につきましては、市内全小中学校のトイレ改修等を行うものであり、すでに各学校の改修要望個所の調査が終了しておりますので、夏休み前の早い時期に着手したいと考えております。

一宮学校給食センターの整備につきましては、本体建設、電気設備、機械設備、厨房設備および外構工事を分離発注することとし、平成233月末の完成に向け、取り組んでおります。

次に、学校教育についてであります。

学校教育ビジョンの具現化に向け、市内にあるすべての学校等による保・幼・小・中・高連携会議の中で、あいさつ、聞き方、言葉遣いを共通のテーマとすることが確認され、「きらめき ひびきあう ふえふきの子」の実現に向けての取り組みを推進しております。

また、学校情報通信技術環境整備事業補助金と経済対策臨時交付金を充てた事業で、電子黒板20台、児童生徒の使う教育用パソコン164台、先生方の使う校務パソコン445台の整備が完了いたしました。さらに児童生徒へのきめ細やかな指導支援のために、学習支援講師等を37名配置しており、各学校の実状に合った、より柔軟な指導支援にも取り組んでおります。

次に、生涯学習関係についてであります。

522日、平成22年度市民講座スコレー大学の開学式をスコレーセンターにおいて開催いたしました。今年度は各学期を通じ、笛吹市発、平和へのメッセージと地域からの発信の2つをテーマに講座を設けてまいります。

なお、6月から始まっておりますスコレー大学の1学期には、29講座に約740名の申し込みがありました。また、このほかにも各地区の特性を踏まえた、地域講座やスコニティ講座など、地域色のある講座の提供を行ってまいります。

次に、スポーツを楽しむイベントについてであります。

4月に開催いたしました大会につきまして、ご報告を申し上げます。

まず7日、8日に第6回笛吹市みさか桃の花まつり全国ゲートボール大会を開催し、全国から165チーム、約1千名の参加をいただき、友好と交流を深めることができました。

また11日には、第6回笛吹市いちのみや桃の里マラソン大会を開催し、4300名余りの多くの方々に、春爛漫の桃・ぶどう日本一と温泉の郷をお楽しみいただけたものと考えております。

次に文化、スポーツ施設整備事業についてであります。

平成21年度よりの繰越事業であります、地域活性化・きめ細かな臨時交付金によるスコレーセンター集会室観覧席修繕工事・八代総合会館外壁改修工事・春日居中体育館バスケットゴール修繕工事・境川スポーツ広場、境川テニスコート改修工事につきまして、12月中旬の完成を目指し、準備作業を進めております。

また、各地区体育施設の修繕および改修につきましても順次進めております。

次に、文化財事業についてであります。

県指定史跡の寺本古代寺院跡につきましては、現在、早期に国指定史跡となるよう、県教育委員会や文化庁と協議しております。

今後、調査委員会を立ち上げた上で学術調査を実施し、国指定史跡に向けた調査データの収集を進めてまいります。

また、国指定史跡の甲斐国分寺跡につきましては、4月に市民の皆さまを対象に、現地見学会を実施し、地元の方々を中心に多くの皆さまにご参加いただきました。22年度はさらに講堂跡・回廊跡などを調査し、市民の皆さまにも現地公開をしてまいります。

次に、市民協働の取り組みについてであります。

昨年開催いたしました市民協働・男女共同参画フォーラムの早い段階からの協議が必要との検証を受け、今年度フォーラム開催に向け、すでに第1回の検討委員会を開催いたしました。

今後も笛吹市の新しい公共を考え、市民と行政が対等な立場に立っての協働の実現を目指してまいります。

また、地域振興基金運用益を活用した地域振興促進助成事業、市民ボランティア・NPO法人助成事業につきましても募集・審査を開始し、すでに3件、助成金の交付を行いました。

次に、男女共同参画についてであります。

1次男女共同参画プラン「輝け男女 笛吹プラン」は、今年度で計画年度である5年が経過いたしますので、本年度は平成23年度から5年間を期間とする、第2次笛吹市男女共同参画プランの策定を行います。

市民の男女共同参画に対する市民アンケートの調査を実施するとともに、「輝け男女 笛吹プラン」のワークショップ参加者の公募を行い、公募による市民と男女共同参画推進委員会のメンバーにより検討を進めてまいります。

次に、住基カード普及促進事業についてであります。

住基カードにつきましては、4月末日現在、12363枚を交付し、自動交付機による利用者につきましても3割を超え、普及が進んでいるところであります。

また住基カード利用による、さらなる行政の効率化と住民サービスの向上を図るため、コンビニ交付の導入につきましても、検討を行ってまいりました。コンビニ交付の導入につきましては県が中心となり、コンビニ交付・広域交付事業として、参加市町村の募集が行われました。その結果、本市を含む5市がコンビニ交付・広域交付事業の申請を行ったところであります。

今後も、住基カードを電子自治体の基盤とし、利用促進を目指すとともに、市民の皆さまに住基カードの利便性をお知らせし、普及啓発に努めてまいります。

次に、第22回参議院議員通常選挙についてであります。

任期満了に伴います参議院議員通常選挙は7月執行予定であり、現在その準備を進めております。選挙の確実な実行はもちろんですが、開票事務のさらなる効率化および迅速化について、引き続き取り組んでまいります。

 

平成2264

 

笛吹市長 荻野 正直