平成22年笛吹市議会第3回定例会

 

本日ここに、平成22年笛吹市議会第3回定例会の開会にあたり、提出いたしました案件につきまして、その概要をご説明申し上げるとともに、私の行政経営の現状を申し述べ、議員各位ならびに市民の皆さまのご理解を賜りたいと存じます。

国政においては、新たな指導者を選ぶ民主党代表選挙が一昨日、91日に告示されました。

昨年9月に民主党をはじめとした連立政権が発足し、今年6月に現内閣に引き継がれましたが、国を覆っている閉塞感、国民の政治に対する不信感が払拭されたとは言い難い状況にあります。

新しい指導者には、政府が推し進める地域主権改革、経済対策が後退することのないよう、改革を進める強い政治的リーダーシップを期待するところであります。

本市における社会基盤の整備としてご提示いたしました、合併特例期間中に行うべき、大型施設整備について、現在の状況のご報告を申し上げます。

はじめに、石和温泉駅周辺整備事業についてであります。

現在、駅前広場と国道140号までのアクセスにつきまして、不動産鑑定など必要な調査を進めながら、実施設計を策定いたしております。

また、移転建て替えが必要になります石和第五保育所につきましては、駅前にあるという立地条件を生かし、多様化する保育ニーズに対応できる機能を備えた施設として、検討委員会のご意見をいただきながら、基本設計を策定中であります。

駅舎につきましても、JR東日本と協議を進めておりますが、今後、基本協定等を締結し、事業を進めてまいります。

次に、バイオマスセンター建設事業についてであります。

バイオマスタウン構想に基づき、昨年に引き続きまして、バイオマスタウン事業化計画により、平成26年度の完成を目指しております。

候補地につきましては市内5地区を選定し、用地条件や環境、コストなど26項目について検討を重ね、石和町砂原地区に絞り込みをいたしました。

今後、詳細な施設内容も含め、更なる検討を行ってまいります。

次に、砂原橋架け替えおよび道路整備事業についてであります。

730日に砂原橋整備促進期成同盟会において、河川管理者とも協議を進める中、おおむねのルートにつきまして、ご了承をいただきました。

今後は河川管理者とさらに協議を進め、新橋梁の位置を決定し、地域住民の皆さまにも詳細な説明を申し上げ、事業を推進してまいります。

次に、多目的施設建設事業についてであります。

本年5月、多目的施設建設検討委員会において、建設の可否につきまして、両論を併記していただく中で、判断を委ねていただいたところでございます。

検討委員会のご意見の中でも、財政面や稼働率、維持管理費のご心配や施設目的をある程度限定する必要がある、既存の体育館が慢性的な飽和状態にあるなどをいただく中で、体育館機能に軸足をおいた多機能アリーナ構想を議員の皆さまにお示ししたところでございます。

本定例会において、この構想につきましての補正予算を上程させていただきましたので、よろしくご審議くださいますよう、お願い申し上げます。

次に、ふるさと公園周辺整備事業についてであります。

現在、基本設計および実施設計を策定中であり、今後、地元の皆さまに詳細をご説明申し上げ、取り組みを進めてまいります。

続きまして、第1次笛吹市総合計画の施策体系に沿って、主な事業の説明をさせていただきます。

まず、笛吹市過疎地域自立促進計画策定についてであります。

過疎地域自立促進特別措置法の一部改正により、平成224月から6年間の計画につきまして、前計画を見直す中で、ソフト事業を含め、幅広く芦川町地域の活性化に目を向ける計画案を作成いたしました。本定例会に上程させていただきましたので、よろしくご審議くださいますよう、お願い申し上げます。

次に、市営バス運行事業についてであります。

平成21年度末に策定いたしました笛吹市地域公共交通総合連携計画に基づき、公共交通空白地域における交通弱者の移動手段を確保するため、利用者からの予約に応じて運行するデマンドバスの実証運行を実施します。

現在、市内の一部地域をモデル地区として、101日の運行開始に向けて準備を進めているところであり、随時検証を行いながら、各地域の実態に即した運行方法の確立に努めてまいります。

今後も、市内全域での効率的で持続可能な公共交通の再編・整備に取り組んでまいりますので、議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

次に、笛吹市夏祭りについてであります。

笛吹市夏祭りも今年で6回を数え、720日より笛吹川石和鵜飼と夏の夜空を彩る石和温泉連夜花火で開幕いたしました。

夏祭りのフィナーレを飾る821日の第46回石和温泉花火大会では、新たに企画した笛吹川歌謡ショーも一層祭りを盛り上げるなど、市内外からおおぜいのお客さまをお迎えすることができました。

また期間中、各地区で行われた納涼祭りは、地域性を十分に出した特色ある祭りとなり、地域の活性・やすらぎの場として、大いに賑わいを見せておりました。

夏祭りを企画・運営していただいた各実行委員会の皆さま方、ならびに関係者各位に深く感謝を申し上げます。

次に、海外トップセールスについてであります。

722日から24日までの間、今年度で3年目となる香港トップセールスを実施し、地元スーパーにおいて、観光商品の紹介や農産物の販売促進活動を行いました。

85日から89日までの間、富士の国やまなし観光フェア・イン上海で山梨県とタイアップしての観光宣伝活動や、市単独での安慶市との友好を深める諸行事へ参加してまいりました。

これらのトップセールスを通じ、今年度から新たに展開しておりますメディカルツーリヅムの商品につきましても、現地エージェントを訪問し、積極的なPR活動を行ったところであります。

さらに、828日から30日までは、北京市平谷区での桃の品種研究活動の推進などを通して、農産物の輸出促進、観光資源のPRを行ってまいりました。しかしながら、824日の農林水産省の発表によりますと、本市から台湾へ輸出した桃からモモシンクイガの幼虫が発見されたとのことであり、県産桃などの台湾への輸出が当面禁止されるという事態が起こってしまいました。誠に残念でございますが、国・県や関係団体と協議・連携し、早期輸出再開に向け努力してまいります。

次に、交通安全対策事業についてであります。

笛吹署管内における交通死亡事故ゼロ200日が達成され、820日に山梨県警本部より、交通死亡事故抑止自治体として感謝状をいただきました。しかしこの記録は、同日の事故により振り出しに戻ってしまったわけでございますが、関係団体等の皆さまと協力し、一から積み重ね、さらにこの記録が伸びるように努力してまいりたいと存じます。

また、新聞報道等でもご承知のとおり、724日に本市職員が酒気帯び運転で検挙されるという不祥事が起こってしまいました。社会に与えた影響や職務上の責任など考慮し、厳格に処分したところでございます。

市民の皆さま方に心よりお詫び申し上げるとともに、再発防止はもちろんのこと、職員教育をさらに徹底し、市民から信頼される市役所づくりに意を尽くしたいと思っております。

さらに言うまでもなく、飲酒運転は重大事故に直結する大変、危険で許されない行為であり、県内の飲酒運転による人身事故が、7月末現在、全国ワースト2位にランクされるなど、憂慮される状況でありますので、私が代表を務めます笛吹市交通安全対策本部において、秋の交通安全運動に併せ、飲酒運転根絶宣言を行います。

次に、防災訓練についてであります。

近年、世界各地で大規模な災害が多発しており、被害を最小限に抑えるためには、日ごろからの備えと地域住民の共助の意識を持った訓練の実施が必要不可欠であります。今年も95日の日曜日に、全行政区と全市役所職員を対象に防災訓練を実施いたします。

行政区では災害時要援護者の避難訓練や安全な経路確認をする避難訓練、消火訓練などを実施いたします。市職員は指定場所に全職員が参集し、大規模災害を想定した実践的な訓練を実施し、発災期の初動体制を検証いたします。

次に、住宅用火災警報器の設置推進についてであります。

消防法および市火災予防条例において、すでにお住まいの住宅においても、平成236月から火災警報器等の設置が義務付けられます。本市では7月に消防団、連合区長会、民生委員児童委員協議会など、関係機関の皆さまで構成する笛吹市住宅用火災警報器設置推進連絡会を立ち上げ、この連絡会のご協力をいただき、住宅用火災警報器の普及率の向上を目指しております。

今後の取り組みといたしましては、今月5日の行政区防災訓練に併せて、警報器モデルの展示と啓発チラシの配布を予定しており、99日の救急の日イベントにおいても、石和温泉駅前でリーフレットの配布を計画いたしております。また10月には、普及推進リーフレットの全戸配布を行うなど、普及啓発活動を展開してまいります。

次に、ごみ減量推進事業についてであります。

ごみの減量と分別排出の推進強化を図るため、各地区において分別説明会を継続開催し、今年度は6地区、延べ9回のごみ減量分別説明会を行ってまいりました。また、市内スーパーでの分別推進キャンペーンの実施と合わせて、市内スーパーへの資源物ステーションの設置について協力依頼を行い、関係者との協働により事業を進めているところです。

次に、特定健診・特定保健指導についてであります。

本年度より、市内医療機関での個別健診を市医師会のご協力をいただきながら、22医療機関で6月より実施してまいりました。しかしながら、今年度の目標数値には依然として差がある状況でありますので、8月から、まだ健診を受けていない加入者に直接電話による受診勧奨を行っているところであります。こうした取り組みを進めながら、さらに来年度に向けた受診

率向上対策を実施してまいります。

次に、新型インフルエンザについてであります。

昨年、全国的に流行した新型インフルエンザの予防対策として、国では、法律に基づき安定的に予防接種を実施できるよう、予防接種法等の一部改正案を先の通常国会に提出いたしましたが、成立は不透明な状況です。

しかしながら法案が成立しない場合でも、現行法の中で10月以降、国の新型インフルエンザワクチン接種事業が実施されます。また、法案が成立した場合には、接種シーズン途中から新たな臨時接種に移行することになります。

低所得者等に対しましては、法案の成立にかかわらず、負担軽減措置が講じられていますので、本定例会に補正予算を上程させていただいたところであります。

次に、病児・病後児保育についてであります。

病児・病後児保育は、児童が急な発熱や風邪などで集団保育や仕事のため、自宅での保育が困難な場合に、専用のスペースで一時的に保育を行うものですが、現在、市内の保育所等において、この実施には多くの課題があります。

このような状況の中、このたび、甲府市内にあります医療施設併設型の保育所に、病児・病後児保育の業務を委託して、あらかじめ登録をしておいた0歳児から小学3年生までの児童を対象に、ご利用いただけることになりました。この10月から実施することとし、本定例会に補正予算案を上程させていただいたところであります。

次に、敬老祝金の支給についてであります。

今月15日から老人週間が始まります。今年も敬老祝金を市内各小学校の児童からの手紙を添えて、77歳、88歳、100歳以上の高齢者の皆さまにお届けいたします。

今年度中に100歳になられる方は18名で、この方々を含めますと本市の100歳以上の長寿者は44名となり、最高齢者は石和町在住の108歳の女性であります。この期間中、ご長寿の皆さまのご自宅等を訪問して、お祝いをしてまいりたいと思います。

なお、全国で100歳以上の長寿者の居どころが不明となっていることが報道されておりますが、本市におきましては、住民登録がされているすべての長寿者の所在が確認されております。しかしながら住民登録がなく、戸籍上生存されている100歳以上の方が352名存在することが判明いたしました。

今後は戸籍法に基づく調査を行い、法務局と協議を行う中で消除事務を進めてまいります。

次に、地域活動支援センターについてであります。

障がい児とその保護者の皆さまの地域における社会活動を支援するため、障がい児の拠点施設として、「地域活動支援センター ありがとう」が71日にオープンいたしました。

この地域活動支援センター ありがとうは御坂福祉センターの一部を使い、週に4日間、支援学校や通所施設の放課後活動の場を提供するもので、障がい児の学童保育とともに、保護者の負担軽減や相談支援、交流の場として活用されることを期待いたしております。

次に、国民健康保険についてであります。

本年4月の法改正により、国保の広域化に向けた取り組みが制度化され、従来の自治体単位の保険者制度から、県を保険者単位とする広域化が推進されているところであります。

しかし、国民健康保険全体での広域化には年数がかかるものと見込まれ、今後の国保財政の負担増も含めた運営が不安視されるところであり、今後も引き続き財政支援について、国・県に要望をしてまいります。

こうした中、本市におきましては、庁内で部局を超えた健康づくりをテーマにした取り組みを進める中で、健康予防事業や医療費削減にもつなげてまいりたいと思います。

次に、芦川町の文化財についてであります。

芦川町地区の伝統的建造物群の調査については、平成19年度から3か年にわたり現地調査を行い、江戸時代初期の民家をはじめとして、150棟を超える古民家の存在が明らかになるなど、多くの成果を得ることができました。

また現在、芦川町地区の散策マップを作成しており、11月には笛吹市歴史フォーラムを開催する予定であります。さらに現地散策会も行い、古民家群や地域に所在する文化財の活用への道を開き、この地区の活性化へとつなげてまいりたいと考えております。

次に、住基カードを利用してのコンビニ交付の取り組みについてであります。

本市では住民票、印鑑証明書の発行につきまして、さらに市民の皆さまが利用しやすくなるよう、コンビニ交付システム導入を、県内6市町村と共同して申請を行ってまいりましたが、713日に、コンビニ交付・自動交付機導入推進支援事業の実施団体として選定されました。

コンビニ交付は、休日を含む午前630分から午後11時までの時間帯で、住民票や印鑑証明書が身近なコンビニエンスストアにおいて取得できるものであり、平成233月からのサービス開始を目標に取り組みを進めております。

次に、財政健全化の状況についてであります。

平成21年度決算について、本定例会に認定案件として上程しておりますが、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定による、健全化判断比率ならびに資金不足比率を算出いたしました。

健全化判断比率のうち、実質公債費比率は136%と前年度より01ポイント上昇したものの、将来負担比率につきましては1096%と18ポイント下回ることができました。

このように、いずれの指標も自治体における早期健全化基準を下回っており、本市の財政状況は健全化が保たれているものと考えますが、今後も引き続き堅調な財政経営に努めてまいりたいと考えております。

次に、市税収納対策についてであります。

健全な市政経営のためには、市税の収納率向上は欠かすことのできない課題であり、納税するための環境を整えることも、その1つの取り組みであると思います。昨年からは納付書によるコンビニ納付がスタートし、利用者も3割を超える状況であります。

今年度は市税の口座振替を希望される方が、金融機関のキャッシュカードを利用して手続きを簡単に行うことが可能になる口座振替受付サービスを8月から開始し、市役所の本庁舎窓口において、受付を行っております。

今後も市税の収納率向上に向け、納税環境の整備や徴収の強化に努めてまいります。

次に、国勢調査についてであります。

本年は、5年に一度実施されます国勢調査の調査年にあたります。市では5月に実施本部を設置し、行政区長の皆さまから調査員340名のご推薦をいただく中で、調査に向けた準備を進めております。今後、101日を調査期日とし、9月末より調査票の配布を行い、10月中のご提出をお願いするところでございます。

議員各位、ならびに市民の皆さま方におかれましては、調査が円滑に実施できますよう、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

次に、平成234月採用の職員採用試験につきまして、ご報告いたします。

試験職種につきましては、一般行政職と保育士および保健師とし、そのうち一般行政職では、昨年に引き続き障がい者枠と自己アピール枠を設定いたしました。

このことにより、障がい者の雇用を進めるとともに、それぞれ努力を重ねてきた分野において培った個性を発揮できる職員の採用を図ってまいります。

応募の状況でありますが、一般行政職に103名、保育士16名、保健師6名となっており、919日の一次試験、10月の二次試験を経て、11月に最終合格者を発表する予定であります。

 

平成229 3

 

笛吹市長 荻野 正直