平成22年笛吹市議会第4回定例会

 

本日ここに、平成22年笛吹市議会第4回定例会の開会にあたり、提出いたしました案件につきまして、その概要をご説明申し上げるとともに、私の行政経営の現状を申し述べ、議員各位ならびに市民の皆さまのご理解を賜りたいと存じます。

市議会におかれましては、1122日に開催されました臨時議会におきまして、新たな体制が整えられ、就任されました小林始議長、ならびに渡邉清美副議長をはじめ議員各位には、ますますのご活躍をご期待申し上げます。

さて1126日、国におきましては、円高・デフレ対応のための緊急経済対策を盛り込んだ、平成22年度一般会計補正予算が成立いたしました。今回の緊急経済対策は、地域活性化や中小企業対策、子育て・医療・介護・福祉の強化、新成長戦略の推進、雇用・人材育成などが主な内容となっております。政府は、これらの対策により今後1年間のGDPを06%程度、押し上げることとしております。

本市におきましても、きめ細かな交付金および住民生活に光を注ぐ交付金など、活用できる財源につきまして、積極的な活用を図ってまいります。

次に、現在、本市で進めております大型施設整備事業につきまして、現在の状況のご報告を申し上げます。

はじめに、石和温泉駅周辺整備事業についてであります。

駅前広場と国道140号までのアクセスにつきましては、実施設計策定の業務を進めながら、用地および補償に関する調査を実施しております。また、駅舎および南北自由通路につきましては、JR東日本と本年9月に基本協定を締結し、11月には基本設計協定を締結いたしました。

今後もJR東日本や関係者等と協議を進め、事業を推進してまいります。

次に、バイオマスセンター建設事業についてであります。

本年9月および10月に、建設予定地区であります石和町砂原区、ならびに隣接区であります八代町増田区におきまして、事業概要のご説明をさせていただきました。

今後も協議を重ね、平成26年度の完成を目指して事業を推進してまいります。

次に、砂原橋架け替えおよび道路整備事業についてであります。

本年9月から11月にかけまして、石和町砂原区、八代町増田区および境川町大坪区におきまして、説明会を実施いたしました。

今後、国土交通省と路線の詳細なルートの協議が整いしだい、道路の詳細設計ならびに用地測量業務に着手してまいります。

次に、多機能アリーナ建設事業についてであります。

多機能アリーナの施設規模や内容、運営の方法などをご協議いただく多機能アリーナ建設委員会と併せて、成田区等、関係行政区での説明会を開催いたしました。建設予定地につきましては、県立博物館の周辺エリアから絞り込みを行い、地元関係者および委員会にもご了承をいただいております。

今後、建設委員会のご意見をいただく中で、基本設計業務に着手し、本市の人づくり、健康づくり、交流づくりの拠点施設として、早期実現に向け努力してまいります。

次に、ふるさと公園周辺整備事業についてであります。

本年10月に地元の皆さま方に事業概要をご説明申し上げ、現在は、実施設計および事業認定の作業を進めております。

今後は不動産鑑定や用地、補償に関する調査を進め、早期公園整備に向け、取り組みを進めてまいります。

続きまして、第1次笛吹市総合計画の施策体系に沿って、主な事業のご説明をさせていただきます。

はじめに、市制施行6周年記念式典についてであります。

1012日にスコレーセンターにおいて開催し、功績者表彰ならびにこれまで市政運営にご尽力を賜りました皆さま方に感謝状を贈呈いたしました。

また昨年、甲斐国千年の都・笛吹市宣言をしました本市と、開館5周年を迎えました県立博物館との間で、相互の発展と活性化に資することができますよう、学校教育、生涯学習、文化振興、観光振興など多方面における連携を目的とした協定を締結いたしました。

今後は学校の授業、校外学習における博物館の活用や博物館職員における出張講座、観光関係者による博物館研修など、幅広い連携を図ってまいります。

次に、市営バス運行事業についてであります。

交通弱者の移動手段を確保するため、利用者からの予約がある場合にのみ、その予約に応じて経路や停留所を調整して運行するデマンドバスの実証運行を、101日から開始いたしました。実証運行は、御坂町若宮を基点として、笛吹市役所などを経由して石和温泉駅に至る地域をモデル地区として運行しております。

また、富士急山梨バスで運行しております、富士吉田駅と河口湖大石ペンション村をつなぐ路線が若彦トンネルを経由し、上芦川農産物直売所まで延伸され、121日から平日6便が運行開始となりました。

上芦川バス停で、市営芦川バスから乗り換えが必要となりますが、河口湖を経由し石和温泉駅と富士吉田駅をつなぐ、新たなバス路線として期待しているところであります。

次に、観光振興についてであります。

秋からの観光宣伝活動では、半年先を見据えた本市への誘客活動に重点を置き、東京・大阪・名古屋地区において、トップセールスを実施いたしました。旅行エージェント27社を訪問し、電子データ等も活用しながら、本市の魅力を十分にアピールした結果、さらなる送客につながる内容のお話をいただくことができました。

また、笛吹市ワイン会とも協力しながら、笛吹市特産のヌーボー等の販売促進活動を行い、多くの商談がまとまるなど、物産の売り込みについても積極的に展開しているところであります。

今後もトップセールス等を継続的に実施することにより、笛吹市の魅力を発信し、誘客の促進を図ってまいります。

次に、観光振興アクションプラン策定業務についてであります。

昨年策定いたしました笛吹市観光ビジョンを基本に、その具体的活動が伴う施策を明確にするため、特に観光に関わる市民の皆さまや専門家の皆さまを策定委員会委員にご委嘱させていただき、プランの原案を検討していただいているところであります。

今後、市民ミーティング、パプリックコメント等を行い、広く市民の皆さまのご意見をいただきながら、すぐに行動に移すことのできる、市民と行政が協働でつくり上げた計画として、年度内の完成を目指してまいります。

次に、就職ガイダンスについてであります。

1026日、市内27社の企業と一般、学生を合わせ135名の求職者の方々のご参加をいただき、笛吹市として2回目の就職ガイダンスを開催いたしました。9月の県内有効求人倍率が065倍と厳しい雇用情勢の中、雇用対策の一環として、甲府公共職業安定所をはじめ、山梨労働局、山梨県労政雇用課にご指導をいただき、商工会とともに実施したものであります。

専門家による就職相談会も同時に実施いたしております。この就職ガイダンスが市内の企業の人材確保と、市民の就業機会の促進につながるものと期待しております。

次に、ごみ減量化への取り組みについてであります。

可燃ごみ53%減量を目指した取り組みによりミックスペーパー、その他プラスチック類などの資源ごみ分別排出につきましては、現時点において前年比4%増の成果となっており、可燃ごみの減量率については、基準年対比29%の減量で、減量率は横ばいの状況であります。

今後さらなる推進策として、継続的に行ってまいります行政区やアパート、マンションにお住まいの皆さまを対象とした分別説明会と、市内大型スーパー8カ所における分別推進キャンペーン等により、市民一人ひとりが「ごみは出さない・つくらない」という意識と行動に結びつくよう、積極的な啓発活動に取り組んでまいります。

次に、笛吹市環境基本計画についてであります。

現在の策定状況につきましては、環境の現状と課題、さらに望ましい将来像や目標について、市民ワークショップの委員や環境審議委員の皆さまから、ご意見を伺っているところであります。

今後、各委員の皆様から寄せられた意見のとりまとめを行い、目指す環境像による重点施策や環境パートナーシップ事業の取り組みについて具体的な行動計画を示し、環境にやさしいまちづくりの基本計画を策定してまいります。

次に、障がい者福祉についてであります。

この12月から重度の身体障がいをお持ちの方の生活を支援するため、身体障がい者訪問入浴サービス事業を開始することといたしました。この事業は、デイサービス等での入浴が困難な障がいをお持ちの方のご自宅を訪問し、ベッドの脇に浴槽を持ち込んで入浴を行うものであります。

今後も障がい者やご家族のニーズを把握しながら、障がい者の皆さまの自立支援に向けた取り組みを進めてまいります。

次に、介護予防についてであります。

介護について理解を深める日として、一昨年から1111日が介護の日として制定されております。これに併せて、1112日に認知症・介護予防講演会を開催いたしました。公益社団法人「認知症の人と家族の会」全国本部副代表理事の杉山孝博先生を講師にお招きし、おおぜいの市民の皆さまに、認知症に対する理解を深めていただきました。

次に、介護保険についてであります。

介護が必要となったときでも住み慣れた自宅で安心して暮らしていただけるよう、住宅改修や福祉用具の購入につきまして、受領委任払い制度を来年1月から実施いたします。

利用者がいったん、全額を業者に支払うことによる資金面の負担を軽減し、利用者に代わって保険給付費から支払うもので、制度の利用促進が図られるものと期待いたしております。

次に、国民健康保険および後期高齢者医療についてであります。

本年度の国民健康保険の医療費の状況は、昨年度の上昇率446%と比較し、ほぼ同じ状況で推移いたしております。

今後も継続して、疾病の重症化予防への対応と保健師による指導事業に積極的に取り組んでまいります。

また、徴収については、臨時の徴収員4名を配置し、体制の強化を図る中で、現年度分を中心に未納者への訪問徴収を行うとともに、生活実態調査を実施してまいりました。

今後は調査結果に基づいた、きめ細やかな納付相談も行いながら、収納率の向上を図ってまいります。

次に、教育関連施設の整備状況についてであります。

一宮中学校改築耐震補強工事につきましては、国の学校施設の耐震化事業の前倒しに伴い、本体工事関係の補正予算案を本議会に提出させていただいたところであります。一宮学校給食センターにつきましては、本体の基礎工事および鉄骨の組み立てがほぼ終了し、平成232学期からの稼動に向けて、順調に進捗をいたしております。

また、太陽光発電システム設置工事につきましては、市内小中学校18校に施工中であり、全体的には約80%の進捗状況で、早いところではパネルやモニター、学習システムなどが設置され、まもなく発電が可能となる状況であります。

次に、小学生・中学生俳句会についてであります。

子どもたちの心豊かな成長と、地域を大切にする心を育むことを目的に始まった小学生・中学生俳句会は今年で14回を数え、1128日に境川総合会館で表彰式を行いました。

今年は昨年を上回る37の都道府県をはじめ、カンボジア、スリランカなど国内外501校、33494句もの投句をいただきました。市内からは、全小・中学校から4179句の投句があり、素直で感受性豊かな小中学生の作品に深い感銘を受けたところであります。

今後も、笛吹市の風土が生んだ伝統文化である俳句を、なお一層、児童生徒が親しみ、経験できるきっかけづくりの場として、関係各位のご協力をいただき、さらに充実できますよう努力してまいります。

次に、スコレー大学についてであります。

いつでも、どこでも、誰でも学べる環境づくりを目標に、好評をいただいている市民講座スコレー大学では、第1学期の30講座に672名のご参加をいただきました。現在、開講中の第2学期は、40講座に750名のご参加をいただいており、引き続き第3学期に向けて40講座の生徒募集を行い、来年1月からの開講に向けて準備を進めているところであります。

今後も市民の皆さまが生涯にわたり、自由にみずからテーマを選び、興味・関心があることを必要なときに学ぶ、生涯学習のきっかけとなるよう期待し、市民講座スコレー大学や各地区の特色を踏まえた地区講座等を提供してまいります。

次に、協働のまちづくりの推進についてであります。

市民と行政との協働事業の実現と新しい公共づくりを目指し、市民活動の活性化、地域づくり支援に取り組んでおります。地域振興基金の運用益を活用した地域振興促進事業および市民ボランティア・NPO法人助成事業につきましては、本年度は27団体に677万円の交付を行いました。

なお、平成23年度助成事業の第1次募集については、来年1月を予定いたしております。より多くの皆さまにご利用いただけるよう、さらにPRを行ってまいります。

また、新たな地域づくり支援事業として、境川地区を対象に地域づくり座談会を開催し、多くの住民の皆さまにご参加をいただきました。

今後も主体的に地域の課題や魅力について話し合い、個性的で特色あるまちづくりをサポートするため、各地域での開催を検討してまいります。

次に、笛吹子ども議会についてであります。

笛吹子ども議会は、本市の将来を担う子どもたちの視点で捉えた豊かな発想や提案を市政に反映させることを目的として、平成17年度から毎年開催しております。

今年度は「にぎわい・やすらぎ・きらめきのハーモニー実現に向けて〜私たちの夢と希望を運ぶまち〜」をテーマに、119日に市内の6小中学校の児童生徒の代表24名のご参加をいただき、開催いたしました。

それぞれの学校からご質問とご提案をいただきましたので、今後のまちづくりの参考とさせていただきたいと考えております。

次に、住基カード普及促進への取り組みについてであります。

10月を普及促進強化月間と位置づけ、JAふえふきのご協力をいただく中での啓発活動や取得しやすい環境づくりとして、日曜窓口において住基カードの即日交付業務を行いました。また、県市町村課の住基カード普及拡大事業による本庁来庁者への勧誘についても、来年3月までの予定で実施いたしております。これらの取り組みにより、1130日現在の総交付枚数は15179枚、交付率は2127%と県内第1位の普及状況となっております。

なお、3月から実施予定の住民票等のコンビニ交付に伴い、3カ所の図書館に設置しております交付機を各支所に移動するための補正予算を上程させていただいたところであります。

今後もあらゆる機会を通じ、市民の皆さまへ住基カードの利便性をお知らせしながら、一層の普及促進に努めてまいります。

次に、指定管理者制度の導入についてであります。

本年度で指定期間が終了することに伴い、再募集を行った5施設を含め、公募施設7施設、公募を行わない施設9施設について、検討を重ねてまいりました。

公募施設については6団体からの応募があり、選定委員会で審査を行った結果、御坂花鳥の里スポーツ公園、八代御所保育所など計7施設について、3団体を指定管理者候補者として内定いたしました。

また、境川地域振興交流センター、春日居産地形成促進施設などの9施設については、公募によらず3行政区ほか、6団体が指定管理者候補者として内定いたしました。

現在、これらの16施設について、市と指定管理者候補者との間で仮協定を行っております。本定例会に上程いたしました指定管理者の指定について、ご議決をいただいたあとには、平成23年度から指定管理者を導入し、市民サービスの向上につなげてまいります。

次に、平成234月の市職員採用についてであります。

募集した職種は、一般行政職と保育士、保健師の3職種です。そのうち一般行政職では、昨年度に続き、自己アピール枠と障がい者枠を別枠で設定いたしました。

今年度は1次試験にグループ討議を取り入れ、公務員としての適性を判断することといたしました。1次試験は919日に実施し、一般行政職に80名、保育士13名、保健師6名の合計99名が受験し、108日に、1次合格者15名を発表いたしました。1020日の2次試験を経て、1116日に最終合格者10名を発表いたしましたが、その内訳は、一般行政職7名、保育士1名、保健師2名でありました。

 

平成2212 3

 

笛吹市長 荻野 正直