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更新日:2024年10月25日
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プレ(pre)は「~前の」、コンセプション(conception)は「妊娠・受胎」のことで、「妊娠前の健康管理」を意味します。
プレコンセプションケアは、「若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うこと」です。早い段階から正しい知識を得て健康的な生活を送ることで、将来の健やかな妊娠や出産につながり、未来の子どもの健康の可能性を広げます。
今は妊娠や出産を考えていなくても、プレコンセプションケアを生活に取り入れることで、今の自分がもっと健康になり、より豊かで幸せな人生につながります。
若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増加しています。健康に関する正しい知識や習慣を身につけ、妊娠前にリスクを減らすことが、健やかな妊娠・出産、生まれてくる赤ちゃんの健康につながります。
「生理不順を放置していた」「生理痛をがまんしていた」などが将来の不妊の原因となることがあります。妊娠や出産に関する正しい知識を得て行動することで、将来の不妊のリスク減少につながります。
子どもを持つ選択をするかしないかに関わらず、プレコンセプションケアを実施することで、より豊かな人生につながります。
※国立研究開発法人国立成育医療研究センターホームページ「プレコンセプションケアセンター」より引用
やせも肥満も不妊や妊娠・出産のリスクを高めます。
栄養不足による若い女性のやせ(BMI18.5未満)は、貧血や将来の骨粗鬆症の原因になります。一方、栄養過多や太り過ぎ(BMI25以上)は、将来、糖尿病や高血圧などさまざまな病気のリスクを高めます。やせも肥満も、不妊や妊娠・出産のリスクを高めます。男性の肥満も不妊のリスクを高める報告があり、注意が必要です。
BMIを計算して、適正な体重が維持できるように心がけましょう。
BMI(体格指数)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI25以上 | 太っている |
BMI18.5-24.9(理想値は22) | 標準の範囲 |
BMI18.5未満 | やせている |
1食に主食、主菜、副菜が揃った食事を1日3食食べることが基本です。さらに、乳製品や果物を1日1回食べることで栄養バランスが整います。栄養不足による若い女性のやせは、貧血・肌荒れ・骨密度や筋力の低下などを引き起こします。月経不順や不妊、低出生体重児の原因になるなど、将来の妊娠・出産にも影響を与えます。
妊娠前から妊娠初期にかけて、葉酸というビタミンをしっかり摂ることで、赤ちゃんの神経管閉鎖障がいの予防につながります。妊娠を希望する女性は緑黄色野菜を積極的に摂取し、サプリメントも上手に活用しながらしっかり葉酸を摂取しましょう。
「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」(厚生労働省2021年3月)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
妊娠すると口腔環境が悪化しやすく、歯周病にかかっていると早産や低出生体重児につながることがあります。
若いうちから、かかりつけ歯科医を持ち定期的な歯科検診を習慣にしましょう。
デンタルフロスなど歯間清掃用具を使ったセルフケアも歯周病予防に効果的です。
プレコンセプションケアでは、1週間に150分程度の運動を目安としています。階段を使ったり、10分長く歩いたりなど、できることから始めてみましょう。
タバコはがん・心臓病をはじめ沢山の病気を引き起こします。また、男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、周産期死亡、低体重を引き起こす可能性があります。赤ちゃんが生まれた後も乳幼児突然死症候群のリスク因子になるなど、広い範囲に影響を及ぼします。身近な人にも、禁煙をお願いしましょう。
妊娠中にお酒を飲むと、アルコールは胎盤を通って赤ちゃんにも影響し、胎児性アルコール症候群の原因になります。「この量なら大丈夫」というものは確立していませんので、妊娠を考えたときからアルコールは控えるようにしましょう。妊娠中は禁酒が原則です。
現代社会はストレスが多く、こころの不調を抱えることもあるでしょう。まずは自分がストレスを感じていることに気づくことが大切です。また普段から自分なりのストレス解消法を見つけておきましょう。体を動かす、腹式呼吸をする、今の気持ちを書き出してみるのもおすすめです。困ったときには、専門の窓口に相談しましょう。
今、若い人の間で性感染症が増えています。特に、「梅毒」は、男女とも感染者が増加しています。性感染症の中には、不妊の原因になったり、妊娠中にかかると赤ちゃんの健康に影響を与えるものがあります。感染のリスクを感じたり、気になる症状がある方は検査を受けて早期に発見し、治療を行うことが重要です。パートナーがいる場合は、お互いに感染し合うことがないよう、パートナー間で予防・治療に取り組むことが大切です。
風疹、麻疹、水疱瘡(みずぼうそう)など、性感染症以外にも妊娠中にかかると赤ちゃんに影響を与える恐れのある感染症があります。日頃から、手洗いやうがいなどの感染予防に努めるとともに、ワクチンで予防できるものもあるため、妊娠を考える前にパートナーや家族も含め、必要なワクチンは接種するようにしましょう。予防接種履歴は、母子健康手帳で確認してみましょう。
女性は20代から子宮頸がんに、30代からは乳がんにかかる人が増加します。予防と早期発見が重要なため、子宮頸がん検診や乳がん検診を定期的に受けましょう。また男女ともに若い頃から職場の健診を受けるなどして生活習慣病の予防に努めましょう。
プレコン・チェックシート(女性用)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
プレコン・チェックシート(男性用)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
※チェックシートの引用元:国立成育医療研究センターホームページ「プレコンセプションケアセンター」
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